第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 1 つくば市に住むすべての人のために
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第1 章
つくば市がめざすユニバーサルデザイン
一人一人の多様性を尊重し,だれもが快適に生活できる社会をめざすユ ニバーサルデザインは,少子・高齢化,国際化,価値観の多様化などが進 むなか,これからの社会,まちづくり,ものづくりを進めるうえで基本と なる概念です(第4章「ユニバーサルデザインの必要性」参照)。
第1章では,つくば市がユニバーサルデザインの考え方を取り入れた基 本方針を策定する背景,目的,基本理念について説明します。
1
つく
ば市に住むすべての人のために
人には,性別,年齢,国籍,身体的特徴など,いろいろな特徴がありま す。そして,一人一人がもつ特徴はそれぞれ異なり,だれ一人として同じ 個性をもつ人はいません。
つくば市にもいろいろな特徴のある人が暮らしています。
たとえば,つくば市の宅地面積全体(約55k㎡)に市民(約199, 000人: 住民基本台帳人口および外国人登録者数 平成17年10月1日現在)を均等 に分布させて半径100mの円を描いたとすると,その円内には113人の市民 がいることになります。その円内の113人に対して「性別」,「年齢3区分
1
(年少人口,生産人口,老齢人口)」,「外国人登録者」,「身体障害者手帳 2
・ 精神障害者保健福祉手帳
3
・療育手帳 4
のうちいずれかの手帳をもっている 人」という4つの視点からそれぞれの人数を調べてみるとします。
性別では男性58人,女性55人。年齢3区分では,年少人口に該当する人 は男性12人+女性11人=23人,生産人口は男性39人+女性35人=74人,老 齢人口は男性7人+女性9人=16人。また,外国人登録者は4人,同様に 手帳をもっている人は3人いることになります。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 1 つくば市に住むすべての人のために
このように,わずか113人の市民の中にもさまざまな人人が存在します。 しかし残念ながら,現在のつくば市はこのようないろいろな特徴のあるす べての人にとって必ずしも快適なまちとはいえません。
つくば市に住むすべての人にとって住みやすい環境,快適なまちづくり を進めていくこと,そのために必要なものがつくば市独自のユニバーサル デザインの基本方針です。つくば市ユニバーサルデザインという考えをも とに,市民のみなさん自身がつくば市を育てていくことによって,市民の だれもが快適に暮らせるつくば市を実現できるのです。
1 年齢3区分:年少人口(0歳から14歳まで),生産人口(15歳から64歳まで),老齢人 口(65歳以上)
2 身体障害者手帳:視覚,聴覚,平衡機能,音声・言語機能,そしゃく機能,肢体不自 由(上肢,下肢,体幹,脳原性運動),心臓機能,じん臓機能,呼吸器機能,ぼうこ う・直腸機能,小腸機能,免疫機能(ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能)のそれ ぞれについて,一定程度以上の永続する障害がある人に対して交付される手帳です。 3 精神障害者保健福祉手帳:精神疾患を有する人のうち,精神障害のため長期にわた
り日常生活または社会生活への制約がある人に対して交付される手帳です。 4 療育手帳:児童相談所または福祉相談センターで知的障害と判定された人に対して
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 1 つくば市に住むすべての人のために
3
「つくば市に暮らすいろいろな人人」
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 2 つくば市の現状
2
つく
ば市の現状
つくば市は,茨城県の南西部に位置し,面積は県内で4番目という大き さで,人口も20万人を超える中核的都市に成長しています。
つくば市の成長の背景には,筑波研究学園都市の建設があります。「科学 技術の振興と高等教育の充実」を目的に研究学園地区が整備され,現在の 研究学園地区には33の国や独立行政法人等の研究・教育機関があります。 また,市内9カ所の工業団地には,120社を超える研究開発企業等が集積し ています。一方,つくば市は,豊かな土地と自然を活かした農業や筑波山 という県内有数の観光資源を活かした観光業などもさかんで,それらが自 然,歴史,そして文化と融和・共生しているといえます。
このようにつくば市は,自然と歴史,文化,そして多くの研究・教育機 関の集積という多様な魅力があふれた田園都市として,調和のとれた発展 をしてきました。
こうしたなかで,平成17年3月には「人と自然と科学が調和し,安らぎ と活力に満ちた“ 健康で健全なまち・つくば” の創造」をコンセプトに「第 3次つくば市総合計画基本構想」をまとめました。ここでは,つくば市の 将来像などまちづくりの基本目標を明らかにし,「快適の創造」「活力の創 造」「環境の創造」「安全の創造」「安心の創造」「安定の創造」「育みの創造」 「自律の創造」という施策の柱を立て,人人が安全に,安心して,快適に 暮らせることをめざしたまちづくりを進めています。しかし,現状ではま だ課題も多く残されています。
たとえば,市民の生活に欠かせない道路・交通面では,主に周辺部にお いて未整備で歩きにくい歩道や街灯が少なく暗い道路があるなど,歩行者 の安全確保が課題になっています。つくばセンターを中心とした高速バス や路線バス等の公共交通の整備も進められてきましたが,まだまだ路線も 本数も少ないといった課題があります。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 2 つくば市の現状
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害者福祉などをもっと充実してほしいという要望も少なくありません。さ らに,公共空間におけるバリアフリー等の整備水準を向上させることも求 められています。
つくば市の少子・高齢化は,着実に進んでおり,障害のある人も多数居 住しています。また,留学や研修,会議など,さまざまな目的で外国人が 集まる国際都市としての成長も期待されています。
さらに,平成17年につくばエクスプレスが開通し,市内に4つの駅が誕 生したほか,首都圏中央連絡自動車道の建設が進められるなど,新たな都 市基盤が整備されたことで,とくにつくばエクスプレス沿線の開発が進み, 新産業の誘致や創出が活発になっています。これにともなって,今後ます ますつくば市に住む人やつくば市を訪れる人が増えることが予想されます。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 3 この方針策定の目的
3
こ
の方針策定の目的
(1)ユニバーサルデザインを知り,行動するための手引き
「つくば市ユニバーサルデザイン基本方針」は,すべての市民が安全に, 安心して,快適に暮らせるまちづくりの基本となる方針です。
世の中には,心身に障害のある人,高齢の人,妊娠中の人,外国人,け がのため短期間であっても体の自由をうばわれている人など,さまざまな 形で普段の生活で不便を感じている人がいて,私たちの身近にも少なくは ありません。また,いつなんどき自分自身がそのような立場になるかもわ からず,決して他人事ではありません。
本方針では主に,そのようなさまざまな立場の人人のことをお互いに知 り,そしてお互いの立場を尊重しあい,常に相手の立場を思いやった適切 な応対を行うための考え方について紹介しています。そして,市民全体の ユニバーサルデザインへの関心を高め,その必要性を知ること,そして, だれもが安全に,安心して,快適に暮らせるための考え方について,さま ざまな側面から理解を深め,市民一人一人が快適な生活を送れるようなま ちを市だけではなく,市民や事業者,NPOなどと一体となってつくっていく ことを本方針策定の目的としています。
しかし,ここに書かれた内容は,固定的で一方的なものではなく,市民 のみなさんが知恵を出し合い,それを適切に反映させながら,時代ごとの ニーズに対応するために継続的に改善されていくものでもあります。
この基本方針策定にあたり,まずは「快適な生活づくりのためのアンケ ート」(第4章「『快適な生活づくりのためのアンケート』結果」参照)を 行った理由はここにあります。
(2)つくば市らしさをいかすユニバーサルデザイン
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 3 この方針策定の目的
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また,外国人も多く生活し,異なる世代,文化,生活習慣などが混在し ています。
このようなつくば市というまちのもつ多面性を肯定的にとらえるなら, 異なる世代,文化,環境に生活するいろいろな人がいることは,同時に苦 手な部分,足りない部分をお互いにカバーし助けあうことで,大きな効果 を生み出す土壌をもっているということです。たとえば,高齢者と若者が 同じまちに生活しているのであれば,一人暮らし高齢者の重労働を体力の ある若者がサポートし,子育てに疲れた母親を人生の先輩である高齢者が サポートする,という相互扶助が成り立ちます。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 4 基本理念
4 基本理念
――「だれもが楽しく,暮らしやすいつくば市の実現」をめざして
(1)一人一人を尊重する
人は,一人一人異なる特徴をもっています。ごく当たり前にさまざまな 人の違いを受け入れる土壌を築くためにも,学校教育をはじめ,市民講座, ワークショップなどあらゆる教育にユニバーサルデザインの考え方を積極 的にとり入れていきます。「だれもが楽しく,暮らしやすいつくば市の実現」 は,市民一人一人の心のもち方,つまり心のユニバーサルデザインからは じまるのです。
(2)あゆみよりのコミュニケーション
つくば市にはさまざまな個性をもつ人がいます。「だれもが楽しく,暮ら しやすいつくば市の実現」には,一人一人がわかりあうことが大切です。 自分のことをわかってもらうと同時に,自分以外の人のことも知り,さま ざまなことを照らしあわせ,わかりあおうとすること。コミュニケーショ ンは双方向の努力が基本になります。
(3)一歩一歩,階段を上がるように
「だれもが楽しく,暮らしやすいつくば市の実現」のために,まずは何 をすればいいのかを“ 知る” ことが大切です。そのことを“ 理解” し,“ 行 動” して,はじめてひとつの課題が解決します。さらに解決して終わりで はなく,繰り返し見直して改善したいことを発見することで,次の取り組 みがはじまります。小さな改善の積み重ねが快適なつくば市を実現します。
(4)ともに実現する
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 4 基本理念
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市民,事業者・NPOなどと市が一体となって,ハードとソフトの両面から考 え,実現していくことが重要になります。
(5)幅広い選択
個性の数だけ楽しさや暮らしやすさがあります。「だれもが楽しく,暮ら しやすいつくば市の実現」の答えはひとつではありません。自分にとって 快適なことが自分以外の人にとって快適でない場合もあります。答えはひ とつではないことを知り,理解し,行動することによって,幅広い選択が 可能になります。
(6)ことばにとらわれず
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 5 方針を進めるうえで
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5
方針を進めるう
えで
(1)市のできること
ユニバーサルデザインは,人,もの,生活,情報,まちなど対象が幅広 いため,市民,大学,研究機関,事業者,NPOなどと連携を図りながら,ユ ニバーサルデザインに配慮した総合的な施策の展開を進めます。
市が率先してユニバーサルデザインに取り組んでいくためにも,職員の 意識づくりを進め,各部局が連携し,全庁的な取り組みを推進していきま す。また,市民,事業者,NPOなどへの普及・広報活動,情報発信に取り組 んでいきます。
さらに,この方針に基づいた着実な推進を図るため,各施策の取り組み について実施状況の把握に努めるとともに,社会情勢等の変化に応じて, この方針の見直しの必要性を検討するなど,柔軟に対応していきます。
(2)市民のできること
ユニバーサルデザインによる「だれもが楽しく,暮らしやすいつくば市 の実現」については,市民のみなさん一人一人が主人公です。一人一人が お互いを理解し,尊重し,思いやることが大切です。市民のみなさんには ユニバーサルデザインの考え方を理解し,困っている人に手をさしのべる など,まず身近にできるところから主体的に取り組んでいただくことを期 待します。
(3)NP O・市民団体のできること
ユニバーサルデザインの取り組みを実現しようとするときに,市,市民, 事業者やNPOなどが互いに連携することが必要です。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 5 方針を進めるうえで
(4)事業者・民間企業のできること
施設やサービス等について,利用者はだれもが安全・安心で快適に利用 できる配慮を求めています。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
13
6
こ
の方針を理解するために
市民のみなさん一人一人が,いろいろな人がいることを理解し,お互い の立場を尊重しあい,常に相手の立場を思いやって行動する「心と行動」 に取り組んでいただくためには,まず子どもから高齢者まで,すべての人 にユニバーサルデザインの考え方を知っていただかなければなりません。
ここでは,わかりやすいように身近な例をあげて説明します。また,漢 字の苦手な子どもや外国人の方にも読んでいただけるように,あえて仮名 をふっています。
(1)人は「違うことが当たり前」
―― 一人一人がはじめる心のユニバーサルデザイン
①「違 ちが
うこと」を知 し
る
みなさんのまち,つくば市
し
にはいろいろな 人
ひと
が住
す
んでいます。
男
おとこ
の人と 女
おんな
の人,大人
おとな
と子
こ
ども,日本人
にほんじん
と外国人
がいこくじん
,お年寄
と し よ
りと子
こ
ども,
障害
しょうがい
のある 人
ひと
とない 人
ひと
,などいろいろな 人
ひと
がいます。
これだけではありません。家族
か ぞ く
のなかでも 同
おな
じです。
お 父
とう
さんは 男
おとこ
の 人
ひと
,お 母
かあ
さんは女
おんな
の 人
ひと
,ぼくは男
おとこ
の子
こ
,わたしは女
おんな
の子
こ
いろいろな 人
ひと
がいて, 顔
かお
や 身 長
しんちょう
も 違
ちが
います。
性 格
せいかく
も違います
ちが
。
だれ一人
ひ と り
として,同じ
おな
人
ひと
はいません。
当
あ
たり 前
まえ
のようですが,このような違い
ちが
を知
し
ることはとても大切
たいせつ
なことです。そし
て違い
ちが
があっても,だれもが,いつどこでも,気持
き も
ちよくいろいろなものやサービス
を利用
り よ う
できるよう,また,気持
き も
ちよく過
す
ごせるようにすることが 大 切
たいせつ
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
②「違
ちが
うこと」を知 し
って理
り
解
かい
する
小 学 校
しょうがっこう
2 年 生
ねんせい
のともちゃんは, 駅
えき
の券売機
け ん ば い き
で切符
き っ ぷ
を買
か
おうとしました。でも,
ともちゃんの 身 長
しんちょう
では,券売機
け ん ば い き
のボタンに手
て
がとどきません。
もう 少
すこ
し, 低
ひく
いところにあるといいな… … (ともちゃん)
目
め
の不自由
ふじゆう
な山田
やまだ
さんは,一人
ひとり
でスーパーへ買
か
い物
も の
に行
い
きます。白
し ろ
い杖
つ え
を使
つ か
って, 歩道
ほどう
にある点字
てんじ
ブロックを手
て
がかりに歩
あ る
くのですが,スーパーの前
ま え
まで来
く
るとたくさ んの自転車
じ て ん し ゃ
が点字
てんじ
ブロックの上
う え
に停
と
めてあり,山田
やまだ
さんはスーパーの入
い
り口
ぐ ち
を見
み
つけ ることができません。
点字
てんじ
ブロックを安心
あ ん し ん
して歩
あ る
けるようになるといいんだけど… … (山田
やまだ
さん)
アメリカから来
き
たデービッドさんは,筑波
つ く ば
大 学
だいがく
へバスで行
い
こうと思い,停
てい
留 所
りゅうじょ
を
探
さが
しました。でも 停 留 所
ていりゅうじょ
の 説 明
せつめい
が英語
え い ご
で書
か
いていないため,どれが筑波
つ く ば
大 学
だいがく
へ行
い
く
停 留 所
ていりゅうじょ
なのかわかりません。
行き先
ゆ さき
や 停 留 所
ていりゅうじょ
の読み方
よ かた
だけでもわかるといいのに… … (デービッドさん)
耳
みみ
の不自由
ふじゆう
な吉田
よ し だ
さんは,補聴器
ほ ち ょ う き
を 申
もう
し込む
こ
ために市役所
し や く し ょ
へ行
い
きました。 係
かかり
の 人
ひと
は 一 生 懸 命
いっしょうけんめい
説 明
せつめい
してくれたのですが,聞
き
かなければならないことが 多
おお
すぎて,だん だんわからなくなってしまいました。
声
こ え
と一緒
い っ し ょ
になにか見
み
せてくれるとわかりやすいんだけど… … (吉田
よ し だ
さん)
田中
た な か
さんは 東 京
とうきょう
にいる 孫
まご
に,つくばエクスプレスに乗
の
って会
あ
いに行
い
こうとしました。
日曜日
に ち よ う び
で 電 車
でんしゃ
は 大
たい
変
へん
混
こ
んでいました。足
あし
が 悪
わる
く 杖
つえ
が欠
か
かせない田
た
中
なか
さんは 優 先 席
ゆうせんせき
に
座
すわ
ろうとしましたが, 優 先 席
ゆうせんせき
は 満 席
まんせき
。しかも 特
とく
に 優 先 席
ゆうせんせき
を 必 要
ひつよう
としていない 人
ひと
ば
かりです。 多
おお
くの 人
ひと
は田中
た な か
さんに「気
き
づかぬ」ふりをしています。
優 先 席
ゆうせんせき
を自然
しぜん
な感
か ん
じで使
つ か
えるようになるといいんだけど… … (田中
た な か
さん)
券売機
け ん ば い き
,スーパー,バスの 停 留 所
ていりゅうじょ
,市
し
役 所
やくしょ
,電 車
でんしゃ
。どれも,ふだんみなさんがよ
く 使
つか
います。しかし,人
ひと
によっては不便
ふ べ ん
に 感
かん
じることもあります。この 違
ちが
いを理解
り か い
し,
ちょっとした工夫
く ふ う
をすれば,だれもが 快 適
かいてき
に 使
つか
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
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③「違
ちが
うこと」を理解
りか い
して行動
こうどう
する
(ア)ともちゃんの場合
ばあい
――駅
えき
の 券
けん
売機
ば い き
券売機
け ん ば い き
を利用
り よ う
するのは,大人
お と な
だけではありません。子
こ
ども,さらには車
くるま
いすを利用
り よ う
している 人
ひと
もいます。手
て
が 届
とど
かなければだれかにお 願
ねが
いするという 方 法
ほうほう
もあります
が,やはりだれもが自分
じ ぶ ん
で 確 認
かくにん
して利用
り よ う
したいはずです。 身 長
しんちょう
に合
あ
わせた位
い
置
ち
に,
券売機
け ん ば い き
があれば手
て
が 届
とど
きます。
(イ)山田
やまだ
さんの場合
ばあい
――点字
てんじ
ブロック
みなさんは,歩道
ほどう
の真
ま
ん中
な か
にある黄色
きいろ
い板
い た
を見
み
たことがあるでしょう。これが点字
てんじ
ブロックです。飾
か ざ
りのように見
み
えるかもしれませんが,これは目
め
の不自由
ふじゆう
な人
ひ と
が歩
あ る
く
ためにとても大事
だいじ
な役割
や く わ り
をしています。黄色
きいろ
い板
い た
にあるでこぼこを杖
つ え
でたどることに
よって,どのように進
す す
めばいいのかわかります。ですから,点字
てんじ
ブロックの上
う え
に自転車
じ て ん し ゃ
やものなどを置
お
かないようにしましょう。
(ウ)デービッドさんの場合
ばあい
――バスの 停 留 所
ていりゅうじょ
最 近
さいきん
,駅
えき
には日本語
にほんご
以外
い が い
の文字
も じ
でも書
か
かれていますが,バスの 停 留 所
ていりゅうじょ
に書
か
いてあ
るものは 少
すく
ないです。デービッドさんのようにいくら日本語
にほんご
を 勉 強
べんきょう
してきても,地名
ち め い
などは 難
むずか
しい 漢
かん
字
じ
も 多
おお
く,わからないことが 多
おお
くあります。バスの 停 留 所
ていりゅうじょ
にも
日本語
にほんご
以外
い が い
の 説 明
せつめい
があるとわかりやすいです。
(エ)吉田
よし だ
さんの場合
ばあい
――市
し
役所
や くしょ
耳
み み
の不自由
ふじゆう
な 人
ひと
は, 口
くち
の 動
うご
きを読
よ
んで理
り
解
かい
しているようにみえますが,こみ入
い
っ
た 話
はなし
になるとわからなくなります。口
くち
で 説 明
せつめい
するだけでなく,紙
かみ
に書
か
いて 説
せつ
明
めい
した
らもっとわかりやすくなります。
(オ)田中
たなか
さんの場合
ばあい
――優 先 席
ゆうせんせき
電 車
でんしゃ
やバスの 中
なか
によく見
み
られる 優
ゆう
先 席
せんせき
ですが,決
けっ
して 座
すわ
ってはいけないというも
のではありません。しかし, 本 来
ほんらい
はからだの不自由
ふじゆう
な 人
ひと
, 妊 娠
にんしん
している( 赤
あか
ちゃん
がお 腹
なか
にいる)人
ひと
,お 年
とし
寄
よ
り,小
ちい
さい子
こ
どもを連
つ
れているお 母
かあ
さんなど,座席
ざ せ き
を 必 要
ひつよう
としている 人
ひと
のためにあります。座
すわ
りたい,眠
ねむ
っていたいという気
き
持
も
ちがあるとは 思
おも
いますが,ここでは気
き
持
も
ちよく 譲
ゆず
ってあげましょう。
もちろん 優 先 席
ゆうせんせき
以外
い が い
の 席
せき
でも, 近
ちか
くで見
み
かけたら 譲
ゆず
ってあげましょう。 例
たと
えば
横浜市
よ こ は ま し
の地下鉄
ちかてつ
は全座席
ぜ ん ざ せ き
が 優 先 席
ゆうせんせき
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
(2)違うことが当たり前になるためには
①「知る」ポイント
人は高齢になると,筋肉の力や平衡感覚などの運動機能,聴覚や視覚な どの機能低下がみられます。また,高齢者特有の病気も発生し,生活の仕 方が若い人とは変わってきます。身体のバランスがとりにくく動作が遅く なり,脚や腕の力が弱くなると階段や段差で転びやすくなります。手や指 がうまく動かせず,容器のふたや扉の開閉など細かな作業が困難になりま す。また,ものが見えにくくなって,まぶしさを感じたり,高い音や小さ い音が聞こえにくくなり,会話や音に気づきにくいという不便さが起こり ます。記憶力や考える力が衰えることがあり,火の消し忘れやものの使い 方を間違えるなどの不便さがあります。
障害のある人の中には,車いすを使用しなければ移動が困難であったり, 身体の姿勢やバランスがとりにくかったり,寝たきりのため一人で移動す ることが困難で介助が必要な場合があります。ものや光が見えない・見に くい,会話や音が聴こえない・聴こえにくい,排泄がしにくい,複雑なも のの操作がわかりづらい,人とのコミュニケーションや対人関係がうまく とれないなど,その障害によっていろいろな不便さがあります。
妊娠中の人は足もとが見えにくく身体を動かしにくい。子どもは高い場 所には手がとどかない,難しい文字は読めない・理解しにくい,手が小さ く力も弱いため操作がしにくい。外国人は日本語がわからないため生活の 中でいろいろな情報が入手しにくく,習慣も異なるため,周囲との交流が 難しいなどの不便さがあります。それぞれさまざまな不便さがあり,これ らのことは少なからずだれにでも思いあたることがある不便さのはずです。
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
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②「理解する」ポイント
このように,ユニバーサルデザインの基本はお互いを知ることと,つく ば市は考えます。そして知るだけではなく,さらに相手を理解することで お互いのコミュニケーションが成立するといえます。
下記にあげた事項は,年齢やことばの違い,障害の有無にかかわらず, お互いがお互いを知るために,「すべてのつくば市民にとって必要と思われ るコミュニケーション」のポイントです。しかし,ここにあげたポイント は,まだ完全ではありません。5)項目以降は,つくば市と市民,事業者, NPOなどがいっしょになって,これから加えていきたいと考えています。
1) 相手の「人格」を尊重します。
2) 相手を尊重し,相手のことを理解しようとします。
3) 相手の望んでいることを,理解しようとします。
4) そして,お互いのコミュニケーションを大切にします。
5) ?
6) ?
7) ?
③「行動する」ポイント――催しを例に
第1章 つくば市がめざすユニバーサルデザイン 6 この方針を理解するために
【催しの計画決定から実行までのチェック項目】
(1)必要事項の確認
・この催しは何のためにあるの? ・この催しにはだれがくるの? ・この催しには何が必要なの?
(障害のある人,お年寄り,小さい子どもを連れた家族,外国人などにとって)
(2)実行委員会
・委員はお年寄りのこと,障害のある人のことについて理解する必要があります。 ・委員会には,いろいろな人に参加してもらいましょう。
・委員会で,勉強会をしましょう。
・委員会の会議室は,お年寄りや障害のある人にとって行きやすい場所にありますか。
(3)実施計画の作成
・お年寄り,障害のある人などが安心して,安全に来られる環境でしょうか。 ・緊急事態には,危険を最小限にできるよう対応できるでしょうか。
・だれでも楽しめるよう,利用できるようになっていますか。
(4)確認したいこと
・委員会で作成された計画案は,お年寄り,障害のある人などのグループを含む, 多くの関係者に幅広くお知らせしたでしょうか。
(5)催し会場について
・いろいろなお知らせは,いつでも,どこでも,だれでもわかるようになっているでしょうか。 ・だれでも会場へ楽に行けるようになっていますか。
・だれでも会場の中まで入れるようになっていますか。 ・緊急の際の対応準備はしていますか。
・会場内の移動は,楽にできますか。